再帰性反射(Retro reflection)と反射材

再帰性反射(Retro reflection)と反射材

反射の種類について

再帰性反射といっても、あまり耳慣れないかも知れませんが、皆様の安全を守るための必須アイテム、反射材の命ともいえる反射の種類のひとつです。一口に反射といっても、いくつかの異なった反射があるのです。

再帰性反射のご説明の前に、一般的によく耳にする乱反射と鏡面反射について、その性質などを簡単にご説明しましょう。鏡面反射、乱反射そして再帰性反射について触れてみます。

1)鏡面反射とは

発光体から光が照射され、ある物体に当たったとき、その物体の表面が均一に平らだったケースを考えましょう。例えば発光体から物体に対して60度の角度で光が照射され、その光が物体に当たったら、照射された側に対して正反対の方向に、同じ60度の角度で反射光が反射されます。この現象を一般に鏡面反射と呼びます。

2)乱反射とは

次に、発光体から光が照射され、ある物体に当たったとき、その物体の表面が凸凹した形態の場合について考えてみましょう。例えば発光体から物体に対して60度の角度で光が照射され、その光が物体に当たったら、凹凸のある表面上のそれぞれの細かい凹凸の角度に応じて、60度の角度で反射光が反射されます。つまりバラバラな方向に光が反射するわけで、この現象を一般的に乱反射と呼びます。人間の体というのはもちろん均一に平らではなく、むしろかなりの凹凸があるため、通常の服を着た人に光が当たると、その光はあらゆる方向に乱反射して拡散してしまいます。

3)再帰性反射

鏡面反射と乱反射の項目でお話しした通り、ある面に当たった光の入射角と反射角は同一になります。したがって、もし90度(直角)の角度で照射を受けた面にあたった光は、発光体の方向に戻ってくるように反射されるのです。照射された光が、再びその光源に戻ることからこの現象を再帰と呼び、そうした反射のことを再帰性反射といいます。この再帰性反射を起こさせるための物体が、DM道明(ダオミン)光学株式会社が研究開発、そして生産と販売に取り組んでいる反射素材なのです。

反射材素材は世界中で、様々な反射グッズに加工されています。反射シートは道路交通標識や自動車のナンバープレート、トラフィックコーン、交通安全の看板などとして数多く活用されています。また、反射布は工事現場用の安全ベストや作業用レインコート、靴や鞄、作業用グローブなどに加工され、世界の人々がそれを身につけることによって、安全対策を図っています。

より多くの人々に反射の仕組みをおわかり頂ければ、反射材利用の場面はもっと増えてくるはず。

よりよい安全な社会を築くため、私共DM・ダオミン光学は日夜研究を重ね、これからも皆様のご意見を伺いながら、新しい反射素材の開発に励んで参ります。

ということで、再帰性反射についてお話して参りました。

さて次回は、こうした再帰性反射の性質を上手に活かした反射素材である、ガラスビーズやプリズムの原理などについて、詳しくお話しをさせて頂きたいと思います。

トラフィックコーン

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